LinuCエヴァンジェリスト・Open Source Summit Japan 2022ボランティアリーダーの鯨井貴博@opensourcetechです。
はじめに
今回はGW中に読んでみた本の感想を記録しておこうと思います。
①イシューからはじめよ
この本はイシュー(issue)の解決に関することが書かれているのですが、
・本当に解決すべきイシューはどれなのか?
・その問題の解決方法
という点について解説されています。
イシューとは、2つ以上の集団の間で決着のついていない問題、
かつ根本にかかわる、もしくは白黒がはっきりしていない問題に該当するものだと定義しています。
そして、対応が必要な課題は多くあるがイシューの中で最も優先度が高いものに真っ先に取り組み、最大の効果を発揮すべきと説いています。
おそらくほとんどの仕事は自分(もしくは自分の組織)だけで完結することはあなりなく、内外の多くのステークホルダーとの連携で成り立っていると思いますが、まさにそれはどれか、どのように取り組むべきかという内容です。
普段無意識に行っていたことが明文化されていたり、補完できたり色々と発見がありました。
②ピアリング戦記
この本は今では当たり前に利用できるようになっているインターネットの中で、特にWAN(Wide Area Network)の世界に関する歴史について書かれています。
細かい点に関しての記述はしませんが、以下のような内容です。
・日本におけるインターネット普及時期(1990年代以降の黎明期)の背景
・WANの世界がどのように構成されているか
・各関係者目線からみてどうだったのかというインタビュー
個人的には、
・BGPルーティングの詳細
・IX(Internet eXchange)の役割
・JANOGやInteropなどのイベントが生まれた背景
などを知りことができよかったです。
Windows95(1995年発売)やLinux誕生(1991年)などOS関連とWANをより一貫してみれるようになったのは、技術者としてよかったなぁと。
また、DNSのルートサーバのうちmが日本にあるのですが、
そのあたりの記述も興味深かったです。
③右脳思考
この本は、左脳 = 言語や計算など・右脳 = イメージするを仕事を進める中で行ったり来たりさせていこうという内容の本です。
個人的には、数年前にHTML5(HPの内容)・CSS(HPのデザイン)を学習したときに一度右脳左脳との違いを学んだことがありましたが、
業務の進め方と右脳左脳をリンクさせた内容で面白かったです。
"①イシューからはじめよ"に基づいた問題解決を進める各プロセスにおいて適用できると思いました。
おわりに
Interopのshowcase、例年より深堀して見てみようと思います。
JANOGは、どうしようかな。。。
3冊ともページ数も多くはなく読みやすいので、興味が湧いた方はぜひ読んでみてください。
私は、"①イシューからはじめよ"の著者の方が働いていたマッキンゼーという会社についてもう少し掘り下げてみたくなったので、続けて何冊か読んでみようと思います。